Jul 20, 2019

COLUMN

ファッションが人のイメージを作る。

見た目のイメージを構築する上で、最大の武器になるのではないかと思います。

- 日用品としてのイメージが強い竹工芸品。竹のアクセサリーは珍しいですね。技術はどこで身につけられたのですか?

大分県別府市にある「大分県立竹工芸訓練センター」へ行きました。ここは、日本で唯一の公立の職業能力開発校としても知られているところで、温泉地として栄えた別府ならではの土産品である竹工芸を残そうと設立された歴史ある学校です。そこで2年間学び、在学中に現在のブランドをしようと決めました。

- そもそも竹工芸をやろうと思ったきっかけは何でしょうか?

企画から生産、そして利益計画まで自分で全てやりたいという思いがあったのですが、キャリアのスタートは技術職ではなかったので一から学ばなければいけませんでした。そんななか、陶芸だと競争率が高いと思ったので、やや少数派とも思える方を選びました。

とはいえ、入学してみて分かったことですが、大分の方々にとって竹工芸はとても身近な存在。実際に、暮らしていて学校出身者に出会うことも多いんですね。私自身は県外出身なので、竹工芸自体が珍しいものだったのですが…。「大分県立竹工芸訓練センター」のように、素人に教えることはもちろん職人向けの教育をする環境が身近にあるというのも珍しいと感じました。

- どちらのご出身でしょうか?大分に来る前は、どんなことをされていたのですか?

兵庫県出身です。ブランドをはじめる前は、絵を描いていました。ただ絵を描いているだけでは、経済のシステムが分からないですし、興味があったので社会勉強のためにも向いていない気はしていましたが…一度会社員を経験しました。会社員時代は、人間関係をはじめ様々なことがあって、結果「無理はしないほうが良い」と思い立ちフランスへ行ったりもしました。

正直、自分にとってどのような働き方が適当なのか分からず、やりがいを求めてひたすら悩んでいました。それで、全て自分で責任を負えるスタイルの方が向いているのだと行き着きましたね。会社員時代は、休日でもつい仕事のことやお客さまのことばかり考えてしまって、ずっと疲れてる人だったので…。

- 竹工芸を学び始めた頃は、どんなことを考えていましたか?

学校には、すでに竹工芸経験者さんだったり、仕事にしているわけではなくとも基礎ができている人だったりがいて。のこぎりすら使えない自分は不安でしたね。それが次第に、竹工芸品が身近になり、オーソドックスな竹ざるも、どこかで見かける度に「かわいいなあ」と、手に取るようになっていきました。ただそれと同時に、「竹工芸品に慣れすぎるのも…」と危機感を覚えるようになりました。なかに入ってしまうと、つい本当の良さや悪さを見分けられなくなってしまう気がしています。

- 竹工芸の魅力というと何ですか?

加工しやすい素材であることに加えて、「同じ編み方でも印象の違うものを作れる」意外とデザインの幅が広いというのが魅力です。シンプルにひとつの素材で様々なバリエーションのものが作り出せる竹には、日々面白みを感じています。

- MIKAI BAMBOOの商品を見ていると、レザーのアイテムを見ているような感覚になります。独特な色合いがいいですよね。

竹はそもそも染まりやすい素材ですが、ここまではっきりした色物を作るとなると難しくて。ムラなく、染料がしっかりついたものを目指すとなると、結構時間がかかります。学校で染めに関する授業を受けましたが、自分の思うように染められるようになったのは卒業してからです。

- 色彩感覚はどこで身についたものでしょうか?

田舎育ちだからかなと思います。幼い頃から自然の色をみて育ったこと。緑といっても、ひとつではない、様々な色が存在することを幼いながらも理解していました。そういえば、先日お会いしたバイヤーさんからも、「人工物ばかりに囲まれず、自然に囲まれた方が美意識が育つ」という話をされましたね。

- MIKAI BAMBOOの定番アイテムは?

ブランドの顔といえば、「ICHIイヤリング・ピアス」ですね。竹工芸は、ヒゴ取りが大事だといわれており、ひごを主役としたデザインができないかとオリジナルの編み方を開発するにいたりました。

- 竹工芸は編み方で個性を出すものなのですね。

別府の竹工芸は、編組が一番大切です。アクセサリーはもちろん、海外に出展する作品なども必ず編みにこだわって作るようにしています。

- 制作上、意識していることはありますか?

竹を使っていることの意味を大切にしています。例えば、別府竹細工の持ち味である「編み」が活きること、竹本来の美しさが伝わるものを目指しています。あとは、自分自身が作っていって楽しいと思えること、手に取ってくれる人がシンプルにかわいいと感じてくれること。アクセサリーはやっぱり、見てかわいいと思ってもらえるのが一番だと思います。

- MIKAI BAMBOOの商品を、実際手に取ってみることができる場所はありますか?

3/20オープンする、「Oita Made Shop赤レンガ本店(大分市府内町)」さんに商品を置かせて頂く予定です。その他で買えるのは、公式通販サイトとパリの取扱店だけになります。ブランドをスタートし、まだ2年なので、これから販売先を広げていけたらと思っています。

- 自分の美的感覚が培われた経験といえば?

幼少期に読んでいた、アンデルセン童話集の表紙がすごく好きだったのが印象深いです。キレイだけど、やや怖いような不思議な世界観にいつも惹かれている気がします。美術館にもよく連れて行ってもらっていましたね。

- ご自身の好きなアクセサリーはどんなものですか?

実はアクセサリーをあまりつける方ではないんです。ものによっては重たかったりするので、少し苦手で。その点からも、竹のアクセサリーの軽さに惹かれているのだと思います。

- どんな洋服が好きですか?

今は「GUCCI」の遊んでいる感じが好きです、頻繁に買えるものではありませんが(笑)。値段からすると、もう少しベーシックな方がいいはずなんですが、それがやれてしまうところが良いですよね。

- ファッションを意識しはじめたのはいつ頃からですか?

学生時代から。今は色味のあるものが好きですが、昔は「COMME des GARCONS」や「Yohji Yamamoto」のようなモードな服が好きでした。

- ついつい選んでしまうものはありますか?

最近だとアウター、少し前までは靴をよく買っていました。アウターは「HENRIK VIBSKOV」というインポートのデザイナーのものが好きで、セレクトショップで買い物をすることが多いです。

ただ今は、ものを持つこと自体が大変に思う時もあって、うちわをよく買うようになりました(笑)。うちわは骨組に竹を使っているので、共感性があって。またデザイン性が本当に様々で、扇の部分にどんな素材を使うかで見え方が全然違うんです。ひとつの素材からこんなにもバリエーションが作られていくものなんだと、シンプルなデザインだからこその、その創造性に惹かれています。自分自身もそういう仕事をしたいと思っているところもあって、何か繋がりを感じています。

- この人おしゃれだなという人はいますか?

渡辺直美さん。

- ファッションの魅力は?

人間性は内面で測られるべきだとは思っていますが…とはいえ、「人は見た目が100%」。そんなに人は深遠な生き物ではないので、どうしても見た目で判断してしまうところがある。だからこそ、見た目で判断や差別をされないように、自分の思う良い見た目のイメージを構築するしかないと思うんです。そういった意味でファッションは、最大の武器になるのではないかと思います。何だか小難しいことをいうようですが、ファッションによって、同じ人でもいろんな自分をPRできます。その日のやりたいこと、なりたい自分に対してファッションを楽しむのがベストなのではと思います。

MY FASHION STORY

ファッションの参考にするものは?と尋ねたところ、「かわいいと思ったら何でも着てしまいます。今日もヒヨコがついたトップスを着ていて、取材があるからやめておいた方がいいとアドバイスされましたね。だからコートは閉じています(笑)」。またファッションについて、「他人の目を気にせず、好きなものを着ていたいですね」とも。そもそも、竹工芸をする際もいつもと変わらぬファッションだという麻生さん。固定概念にとらわれることなく、我が道をいくその姿が素敵でした。

麻生さんは、カフェ兼ショップの2階を工房としています。レトロモダンなこの空間もまた魅力的。

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